肩の力を抜いて読める高野秀行氏。旅のルポといえばこれ!

本を読むにあたって、海外旅のルポルタージュというジャンルが好きだ。自分も海外旅行をした気分になれるし、今まで行ったことのない国や珍しい文化を知ることができる。中でも高野秀行氏の著書はお気に入りで、読んだことのないものを見つけたら買うようにしている。今回はそんな高野さんの本についてオススメしたい。

高野秀行氏とは

今更私が紹介するまでもないが、高野秀行氏とは、海外の様々な場所に長期滞在し、そこでの生活や現地の人とのやり取りについて書いている方だ。この人のモットーは、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろおかしく書く」、との事であり、自ら辺境ライターと名乗って、日本人が絶対行かないような場所を訪れ、作品を書き続けている。最近ではクレイジージャーニーなどにも出演されたようで、その独自な切り口が注目されている。

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今回は高野秀行さんの「ワセダ3畳青春記」という本を紹介したい。辺境ライターとして海外の有名な高野さんだが、20代のころの日々の生活を書いたエッセイである。高野さんがどんな人物なのかを知るにはこれ以上ないくらいの名作である。 「ワセダ3[…]

高野秀行さんのワセダ3畳青春記をまとめた

本の魅力

高野さんの本の魅力はたくさんあるが、ルポライターとしてのユニークさ、考察力がある。

辺境ライターとしての独自性

モットーどおり日本人が行かない(というか行けない)場所を選んでいることである。この人の行く場所は、どこも日本人が来たのは自分が初めてらしい、みたいな場所ばかりである(文中で何度この記載を見たことか)。しかもそんなこと書いちゃって大丈夫なのかレベルのことをしてあっさりと書くので恐ろしい。

元々は早稲田大学の探検部としてUMAを探すために海外に出かけていた際のルポを書く方だったと記憶しているのだが、気付いたらゲリラ紛争の激しいエリアなどで、取材をされて賞も受賞されている。そんな場所での出来事が読んでいてつまらないわけがないのである。

高い語学力を活かした鋭い考察

訪れた現地の文化や情勢に対する考察が、他の旅のルポライターと比べても群を抜いている。

どうやら高野さんは出国前に現地の文化だけでなく言葉も事前に学んでいるらしい。現地の言葉で、現地の人と同じように生活にして取材をするスタイルを取られているからか、その国の情勢や文化などの解説が抜群にわかりやすい。異国の言葉を聞いて、ややこしい民族間の関係性や現地の文化をあそこまでを聞いてどうしてあそこまで噛み砕けるのかと、天才としか言いようがない。

ちなみに高野さんは語学が堪能だ。英語や中国語など主要な言語だけでなく、訪れる先のあらゆる少数部族の言語までを習得している。一体この人は何カ国語話せるのだろうか。また作品中にもちょこちょこ出てくるのだが、その勉強法も非常にたくましい方法である。

ツテを頼り、日本でどこからともなく知り合いの現地人を見つけてきては、会話をやり取りしながら覚えていくのだ。そうやって教科書もないまま、勉強を始めて1ヶ月2ヶ月でコミュニケーションを取れるところまで持っていってしまう。語学学習はかくあるべきのお手本のような方である。我々が文法書を手に、何年もかけて英語ですら苦労している間に、あっという間に先に行ってしまうのだ。

おもしろおかしく読むことができる気軽な文体

高野さんの最大の魅力が読んでて楽しい。思わず薬としながら読むことができる、という点だ。本を読まない男の感想そのものでお恥ずかしい限りだが、これこそが私が高野さんの著書を買いそろえてしまう一番の理由である。

少数民族が住むような場所での生活は確実に大変なはずなのに、それをみじんも感じさせない。現地でのトラブルもとにかくコミカルな文体で描いてくれるので、何だか珍道中感が出てしまい、笑いを誘われてしまうのだ。

海外旅の体験記を書くルポライターはたくさんいるが、読んでて疲れる人が多いのも事実である。なんというか自分には意識が高すぎるのである。旅先で辛い状況に追い込まれ、それをそのまま文章にするせいなのか、読んでて悲壮感が漂ってくるようなものも多い。

また旅先でいろいろ思うところがあるのだろうが、個人の心情をつらつらと書かれたりするときつい。日本で気軽に読んでるこちらとしては、温度感が違うというか、どうも置いてけぼりにされる感が否めないのである。

もちろん、これは私の読書力が低いという点が問題であって、ライターのせいでは全くない。むしろそういう旅人の深い心理を知りたいという人もたくさんいるはずだ。

ただ自分はもう少し肩の力を抜いて読みたいというか、旅の楽しさ、自由さを感じられる内容が好きだ。いわゆる珍道中を眺めてクスリとできるくらいがちょうど良いので、高野さんの本を手にとってしまうのである。

賢い人は凡人が楽しめるように話をするのが上手いというが、高野さんがまさにそうだ。私でも、この国っておもしろいなあ!と思えるように書いてくれるのである。紛争地帯であってもこの人の手にかかれば何だかのほほんとした場所に見えてくるので不思議である。

まとめ

高野さんの著書の数々はそんな訳でおすすめである。気軽に読めながらも鋭い考察で現地の様子をしっかりとわかりやすい文体で説明してくれる。楽しい気持ちで、好奇心を刺激したいという方にはもってこいであるのだ。

ちなみに昔の作品は本屋さんに置いてないことも多いので、ネットでの購入がオススメである。

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