外出自粛ということで、読んだ本を紹介するサイトになりつつありますが。。今回は水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」についてまとめてみた。自分のやりたいことを諦めてしまったり、夢が見つからないという方に向けた本であり、とても良い内容である。
「夢をかなえるゾウ」とはどんな話?
ジャンルで言うと自己啓発に当たるのかと思う。ただ、小説の形が取られており、話の中で主人公が成長していく中で、人が夢をかなえる、成功するための秘訣が書かれていくという構成になっている。
主人公は一般企業に勤めている若者だ。小さい頃は運動も勉強もそこそこできて、そこそこ大手の企業に勤めている。ただ仕事も面白くないし、人生に満足できていない。なんとか自分を変えたい、成功したい、と悶々とした日々を過ごしているところから始まる。
そんなときにガネーシャという神様(ゾウの形をしたインドの神様)と出会い、自分を変えていくために行動することで物語が進んでいく。神様ガネーシャが成長するために与える課題をこなしていきながら、主人公が成長していくというような話だ。
ちなみにタイトル「夢をかなえるゾウ」は、ゾウの神様が現れ、主人公の夢をかなえるための教えをくれることから来ている。
「夢をかなえるゾウ」の魅力とは
実は私はこの本を長らく読むのを避けていた。というのも「夢をかなえる」というワードと自己啓発のお話という点がちょっと引っかかっていたのである。
正直言うと私は自己啓発系の本があまり好きではない。というのも、この手の本は言葉としては良いことが書かれているが、その考え方を現実で実践し続けるのが難しいのよ。って結論になることが多いからだ。結局どの本も同じようなことが書いてあり、行動ができない奴が読んでもあまり意味がない。モチベーションを高めたい時のカンフル剤としては良いと思うが、根っこが怠け者な私には向いてないなと考えてしまうのだ。
ただこの本はそんな自己啓発本嫌いの私でも思わず読んでしまう魅力がある。単純に物語が面白いのだ。物語のあらすじだけ読むと、神様やら、夢を見つけるやらとなんだかスピリチュアルな話のように聞こえるが、全くそんなことはない。話は最初から最後までコメディタッチで話は進む。
ガネーシャのキャラクターが良い
この本の最大の魅力としてガネーシャのキャラクターがあげられる。
神様のガネーシャはぶっとんだ奴だ。神様のくせにめっちゃ不真面目で子供っぽいのである。タバコは吸うわ、大飯食らいだわ、ちっとも我慢ができない性格な上、承認欲求も強い。神様らしからぬ言動がいちいち笑いを誘ってくれる。(あくまでこの作品内のガネーシャの話である。現実世界のガネーシャは至って真面目な神様である。)
自己啓発ということを思わず忘れてしまい、あっという間に読み進めることができる。
基本トラブルメーカーで主人公を次から次へとピンチに追い込んでいく。ただとんでもないやつと思わせながらも、ちゃんと主人公を成長させることを教えてくれる存在なのだ。普段親しみやすいだけに、胸に刺さる。
教えがシンプルで実行しやすい
自己啓発本としても非常にシンプルでわかりやすいことである。ガネーシャからの課題として、主人公と読者に毎回課題が出されるのだ。靴を磨く、募金をするとか、私たちでもできるけれど、普通に暮らしていたら積極的にしないようなことである。
私もあんなに自己啓発本を否定しておきながら、ガネーシャの与える課題にチャレンジしてしまった。(全部はできなかったけど)課題ができると、自分の中の価値観がちょっとずつ変化していくのでなかなか面白い。自己啓発が嫌いな奴まで啓発しちゃうのだからまったくとんでもない本である。
人が変わることの難しさをきちんと書いている
この本が自己啓発本としてちょっと良いなと思ったのが、どれだけ良い教えを得ても、結局多くの人が元に戻ってしまうことを踏まえて書いてくれていることだ。
大体、自己啓発の本やセミナーなんて世に溢れているし、著者自体、成功するための秘訣は、本を読めばどこにでも書いてあると言ってしまっている。ただそれでも変わることができない人が多いのは、しんどいことを前にした時、実際に行動できなかったり、続けることができないからだ。
著者は人の意識が変えられないことを前提に、自己啓発本を読んだときに起こる希望の感情と、それがいかにもろいものかも触れている。またしんどくて逃げ出したに行動するための方法も考えさせてくれる。
これを読むと、仕事は苦手、楽なことだけして生きたい。という人生あまちゃんな私もちょっとだけ考えさせられた次第である。詳しくは本を読んでほしいが、嫌なことに向き合うことによって得られることの大きさを学べると思う。
続編もおもしろい
ちなみに1作目が250万部以上売れて大ヒットしたこともあり、この夢をかなえるゾウシリーズは3作まである。基本一冊で話は完結するようにはなっているので、いきなり2作目や3作目から読んでもいいが、第1作に出てくるガネーシャの教えがベースになって話が進むので、1作目から読むことをお勧めする。
まとめ
今回は「夢をかなえるゾウ」について紹介してみた。話自体も読みやすく、ポジティブな気持ちになることができるので、まだ読んだことない方はぜひチャレンジしてみてほしい。自分のやりたいことが改めて見つかるかもしれない。