今回は「RUDY(ルディ)」という映画を紹介したい。1993年製作と、少し古い映画ではあるのだが、なかなか良いお話である。大学のアメフトリーグを舞台にした、夢を追いかけ実現していく若者のサクセスストーリーで、思わず涙がホロリとなる素敵な映画だ。
「 ルディ」とはどんな話なのか?
幼い頃から大学で、アメリカンフットボールの選手としてプレイすることを夢見ていた若者ルディを主人公とし、彼が一度は諦めた夢の実現を目指していく話である。タイトルは主人公の名前から取られている。
大学でアメフトをするってそんなに憧れる話なのかいなと、映画を見た後調べたのだが、どうやらアメリカではアメフトが人気なため、大学対抗のリーグ戦もテレビ放映がされるほど注目されるスポーツらしい。大学時点ですでに有名な選手もたくさんおり、1試合の平均動員数も数万単位というから驚きである。さすがはスポーツ大国アメリカである。
そんな花形スポーツの選手として活躍することを夢見るルディだが、現実は厳しい。身長はなんと160cmと小柄。しかも家は貧乏、大学に入る学力もない。正直、大学リーグでプレーするなんて夢のまた夢のスペックなのである。
そのためルディは一旦は夢を諦め、工場に就職する。そこで何年も真面目に働いてお金もたまり、彼女と結婚を考えるような年齢になっていくわけだ。モヤモヤしつつもこのままどこにでもいるアメフト好きのおっさんになっていくだろうという時、友人が事故で死んでしまい、忘れていた夢をもう一度追いかけ始める。という展開だ。
ルディの境遇を見ていると非常に親近感が湧く人も多いと思う。小さい頃は何にでもなれるような気がしていたが、大人になるにつれて、普通の人生を歩むことがだんだんと決まっていく。年齢を重ねていけばいくほど、世界やどんどん狭まっていき、気がついたら、人生が自分のものから家族のものになっていくわけだ。それは幸せで良いことなのだが、心の中にモヤモヤしたものをどこか残している。ルディはそんなモヤモヤを抑えきれないのだ。
ここが映画の見所
正直、金も身長も才能もない、しかも他の学生よりも年を食っている、こんな奴がどうやってガチムチ達の集まるプロはしごのリーグで選手になるのか、最初の時点では全く想像もつかない。正直無謀なチャレンジを、ルディが一つ一つ壁を乗り越えて、夢に近づいていく様が魅力的なのである。
実話だけあって絶妙なリアル
個人的に好きなのが、この映画のストーリーの絶妙なリアル加減だ。あまり話すとネタバレになってしまうが、この映画はアメフトがテーマではありながら、単純なサクセスストーリーではない。スポーツものにありがちな、ど素人が競技を始めたと思ったらダイジェストで修行シーンをお送りして気付いたら、最強になってました。みたいなことは一切起きないのである。最初から最後まで主人公の能力は前述したようにその辺にいる一般人レベルのままだ。
貧しさから這い上がったルディが覚醒してスーパースター選手になる、という映画ではない。さすが実話を元にしているだけあって、現実はそう都合よくはいかないのである。
それでも主人公が大学でアメフトをプレイしたいという努力(というか執念)が、最後視聴者を納得させ、奇跡だと感じさせる結末に繋がっていく。映画として面白いし、現実と考えてもギリギリのリアルさなのだ。安定を捨て、すべてをアメフトに捧げたルディにとって、やり切ったと感じることができる結果だと思う。
夢を諦めないことの大切さ
この映画は「夢をかなえる、努力することの大切さ」を伝えてくれる。夢をかなえるためにありとあらゆることに翻弄するのだ、ルディの夢は正直無謀である。だから次から次へと困難がやってくる。これをまさに執念で乗り越えていくのだ。普通なら躊躇してしまったり、やらない理由をきっと見つけてしまうと思う。
ルディは夢のためならなんでもする。図々しくもなるし、カッコ悪いかどうかも二の次である。見栄を張りたいとか、カッコつけたいなんて次元は通り越して、それよりも夢を達成したいところに向かっている。
夢をかなえる人ってきっとこういう人なんだと思わせてくれるのだ。自分も何かを達成したければこれくらい頑張らなあかんと思わせてくれるのである。
まとめ
今回は映画「RUDY」について紹介をしてみた。夢を追いかける、自分のやりたいこともう一度頑張ってみよう!とそんな気持ちにさせてくれる映画だ。仕事で挫けそうな時や、夢を諦めそうな時なんかは響くはずである。映画配信サイトでも定期的に流しているので、機会があればぜひチャレンジしてみて欲しい作品だ。