「ワセダ3畳青春記」が面白い!とにかく笑いたい人はこれを読め!

今回は高野秀行さんの「ワセダ3畳青春記」という本を紹介したい。辺境ライターとして海外の有名な高野さんだが、20代のころの日々の生活を書いたエッセイである。高野さんがどんな人物なのかを知るにはこれ以上ないくらいの名作である。

「ワセダ3畳青春記」とはどんな本?

高野秀行さんは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとしている作家さんだ。海外の壮絶な経験も、どこか笑える話に昇華して書いてくれることに定評がある。

そんな高野さんの20代の話なんだから面白いに決まっている。日々の生活のエッセイと書いたが、ほのぼのした話は全くない。この人は日常がぶっ飛びすぎていて、奇妙奇天烈な話ばかりである。

「ワセダ3畳青春記」は高野さんが20代に下宿先として過ごした「野々村荘」での生活を中心に巻き起こるエピソードが書かれており、3畳一間での貧乏暮らし、住人との共同生活で巻き起こる事件、友人とのおバカ体験などがまとめられている。

ワセダ三畳青春記 集英社文庫 / 高野秀行 【文庫】

先述した高野さんのモットーが存分に発揮されており、海外どころか、東京の早稲田という非常なローカルなエリアの物語でありながら、誰も行かない、誰もやらない、そして面白いエピソードばかりなのだ。ここ本当に現代の日本の話かいな。と異国の地にいるような感覚すら覚えさせてくれる作品である。

ちなみにこの作品、「酒飲み書店員大賞」なる賞にて大賞を受賞している。(しかも映えある第1回である。)高野さんの本をすすめたくて作ったんじゃないかと思うくらいピンポイントなネーミングだが、まさに酒好き書店員のお眼鏡にかなう作品であると言える。

※実際は出版社の方と書店員の方の飲み会の席で、売りだしたい本を選びたい、という話題になったことがきっかけで作られた賞らしい。

とんでもないエピソードが満開

とにかくぶっ飛んだエピソードが満載である。高野さんが若いこともあり、とにかく好奇心旺盛なのである。怪しい人とも積極的にコミュニケーションをとるし、危ない橋も平気で渡るので、おかしなことばかり起こるのだ。

中でも印象的なのはチョウセンアサガオというドラッグの効果を調べるため、自ら実験台になるエピソードである。こんなこと書いちゃって大丈夫なのかって感じの話なのだが、なぜか危なさよりも面白さを感じてしまうのだから流石の高野さんである。

登場人物がとにかく怪しい

またこの本を読んで驚かされるのが、登場人物が揃いも揃って奇人変人ばかりということである。大家さんこそチャーミングなおばちゃんだが(この人もなかなかユニークではある)まともな人はそれくらい。それ以外の奴は大体変な奴である。まあ家賃12000円の3畳一間の物件なので、猛者が集まりやすい環境ではあるのだが、それでもすごい。

しかも野々村荘の住人だけでなく、高野さんが外で出くわす人間もヤバめの人で溢れている。胡散臭い友人や、詐欺師まがいの占い師など、海千山千な奴らばかりである。実際に周りにいたら嫌だが、飲みの席で聞いてる分にはとてつもなく楽しそうな人生である。酒飲み書店員大賞を受賞するのもうなずける。ぜひこの「ワセダ3畳青春記」手にとってみて欲しい。

まとめ

今回は高野秀行さんの「ワセダ3畳青春記」についてまとめてみた。この本を読んでいると笑いを誘われながらも、若いっていいなあと懐かしさを感じることができる。まさに青春記と呼ぶにふさわしい名作なので、ぜひこの「ワセダ3畳青春記」手にとってみて欲しい。

高野秀行さんのワセダ3畳青春記をまとめた
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