ADHDと診断された場合、普段の生活を気をつけるだけで、症状が劇的に改善することがある。その一つが身の回りの整理整頓と断捨離を定期的に行うことだ。私もADHDだが、意識的に物を減らし、片付けをするようになってから、ミスが大きく減った。今回はADHDの方に向けた断捨離と、整理整頓についてまとめてみた。
散らかすことから発生するミスが多い
私はADHDである。そのせいもあり、元々片付けは苦手だった。気をつけないと家の中はぐっちゃぐちゃに散らかし放題だったし、職場の机にも物が山積み、ということも多かった。
ただADHDと診断をされてからは(むしろ診断されたからこそ)、あえて定期的に時間をとって、断捨離と整理整頓を行うことを心がけるようにしている。
というのもADHDの困りごとは物を無くしたり、探し物が見つからないということが多く、この「散らかす習慣」こそが無くし物の原因となっているからである。
私も例外なくやらかしてきた。家を出る直前になって探し物が見つからずに遅刻をしたり、大事な書類を無くしたり、家の鍵をポケットから落としたり。。。数えるとキリがないが、これらは全て普段から物がどこに何があるかを意識しておらず、整理整頓ができていないからこそ発生するミスである。
ADHDの特徴として、脳の短期記憶を担うワーキングメモリが少ないことがある。物を無意識に置いたりすると、すぐに記憶から抹消されてしまうのだ。にも関わらず、物が散乱している環境で暮らしちゃっていたら、そりゃミスは起こるに決まっている。
ワーキングメモリを増やすのは簡単ではないので、せめて物が散らかっていない状態を意識的に作ることがADHDの症状改善には重要なのである。
というわけで、ADHDと診断されてからは、失敗の原因を減らすべく意識的に整理整頓をするようにしている。2週間に一度程度、机の周りやカバンをチェックして、いらないものを捨てたり、ぐちゃぐちゃになっている場所は片付けを行うのだ。
これをやり始めてから、探し物が見つからないというミスや大幅に減らすことができた。綺麗な状態を保つことも生活や仕事で必要なことの一部だと思ってやっている。
整理整頓は何をしたら良いか
ただ整理整頓と一口に言っても何をしたら良いのか。それができないから悩んでるんじゃい!という方も多いだろう。ということで、ADHDの方にとって、効果が大きい整理整頓の作業をまとめてみた。
ものを減らす
いわゆる断捨離である。ADHDで悩んでいるなら、いらないものは徹底的に持たないようにするという生活スタイルは、症状を抑えるためには非常に効果がある。
ワーキングメモリの少ないADHDにとって物が多いということは、とても負担が大きい。何がどこにあるか把握できなくなるし、物が多いことで整理整頓をするに必要な時間も増える。
物が少ないと多少散らかしても、どこに何があるかも把握しやすい。ミニマリストになる必要はないが、ADHDが無くし物の被害を少なくするには、管理する物を減らして、何がどこにあるかすぐに探せる。というのが大事になってくる。
カバンの中身や押し入れにある本や服、使わないものや不要なもので溢れていないだろうか、何がどこに入っているか把握できているだろうか。1年以上使っていないものは思い切って処分していくほうが良い。
そもそもADHDは忘れ物、無くし物が多いこともあり、同じものを何度も買ってしまって物が多いこともある。不要なものはどんどん減らしていくほうが良い。物が減っていく工程の中で、頭の中がスッキリしていくのを感じるはずだ。
最近はメルカリなども活用できるので、断捨離活動をすることで結構な収益にも繋がったりする。断捨離をすると、今後不要な物を買わないようになる。お金も貯まるし、思考も整理できる。いいことづくめである。
部屋やカバンの中の片付けをする
断捨離をしてある程度物を減らしたら、次は整える作業だ。家の中や、自分の持ち物などはきちんと整理整頓できているだろうか。部屋は散らかっていないか?床にものが散乱していないか。通勤用の荷物など必要以上にパンパンになっていないか。収納スペースの中は一目見てどこに何が入っているかわかる状態かをチェックして欲しい。できていなかったら、綺麗にしてあげる必要がある。
ちなみに、上記の物を減らす工程も含めて、整理整頓をするには、この本を参考にするのがおすすめである。
この本の作者も、片付けられるようになってから、時間が有益に使えるようになったり、ミスが激減して生きやすくなったことを感じている。同じように悩んでいる人にはきっと役に立つはずだ。
片付けが苦手という方はこれを買って真似をしていくと、無くし物のない部屋が作れるはずだ。漫画なので読みやすいし、誰でも真似ができることが多い。
ミスを減らせる整理整頓グッズを使う
ADHDが片付け、整理整頓をする中で大切なのが、ただ物をしまうというだけでなく、出し入れしやすい、何がどこにあるのかわかりやすい物を使って整理整頓をする、ということである。
ものが少ない中で、それを目が届く形で管理できる、状態を作ることが無くし物のミスを減らす上でとても重要だ。
例えば、カバンの中身であれば、小物がぐちゃぐちゃにならないようにポーチなどで収納する。コードなどは紐で束ねてしまう。など、面倒ではあるがきちんとする必要がある。下記のようなグッズはネットで安く揃えられるので、きちんと使っていくことがおすすめだ。
ADHD当事者として実感するのは、カバンで収納するポーチなどは、中身が見えるように透明なものを使うようにすることが大切であるということだ。デザインだけを重視し、中身が見えないものを使ってしまうと無意識に突っ込んでしまい、どこに何があるのかわからなくなる。
また文具やガジェットなどを収納する際は、下記のような入れ物ががそのまま文具立てとして使えるものを選ぶのがおすすめだ。
外出時に出すと、意外に置き場がない。そんなときパッとそのまま立てて使えるものであればミス防止にも役に立つ。小物類も置き所がないと、どうしても散らかしてしまったり、そのまま忘れて帰ったりしやすい。
こういったものはつい自分の好きなデザインだけで選びがちだが、物の管理がしやすい、という観点からも選ぶことがとても重要である。
一つの場所に集めて管理する
ADHDにとって大切なことは、必要なものはできるだけ一つの場所に集めて管理するということである。一つの場所にあれば、朝の準備などで忘れ物をすることも少なくなるし、無くなっていたときにすぐ気が付けるからだ。
例えば、スマートフォンなどのガジェット関係。私は充電ドックを使って一つの場所に集約できるようにしている。
これがあればスマホ、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンを一つの場所に集めることができるので、朝準備をする際に忘れにくくなるのだ。また充電ドックを使うことで、それぞれを充電する際に使うコード類が少なくなる。見た目もスッキリして、管理がしやすくなるので、おすすめだ。
ものの住所を決める
これも必ず言われていることだが、物の置き場所を決めてあげることだ。例えば家の鍵や財布など、部屋の〇〇に置く。など必ず決まった場所を作ってあげることが大切である。
まとめ
今回はADHDの日々のミスを減らすため、断捨離、整理整頓をすることの大切さやコツについてまとめてみた。ADHDと診断された方はまず、物を減らす、片付けることを意識するだけでも、大きくミスを減らせる可能性がある。
偉そうに書いているが、私も散らかっては片付けての繰り返しである。
ただ繰り返すことで、段々と物が少なくなっていくし、置き場所が決まってくると管理が楽になる。そうすれば物を無くしたり、時間管理に失敗するミスが激減するので、自信がつく。なんだか良い循環が出来上がるのである。ADHDの生きづらさを感じていて、整理整頓に未チャレンジの方はぜひトライしてみて欲しい。